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Yokogawa News

ロッテルダム港湾公社と横河電機がエネルギーや資源の有効利用に向けた産業間連携の調査を開始

オランダのPort of Rotterdam Authorityと横河電機は、ロッテルダムの脱炭素目標への貢献のために、ロッテルダム港のコンビナートにおける電気や蒸気、熱等のエネルギー、水、産業ガスである水素や二酸化炭素といった資源。

ロッテルダム港湾公社と横河電機がエネルギーや資源の有効利用に向けた産業間連携の調査を開始

石油化学産業の事業者の多くは、各々で操業を最適化してきました。コンビナート内での産業間連携により、さらに省エネルギー化や省資源化を進めることができる可能性がありますが、産業間連携の実行を妨げる要因の一つとして、連携する情報の機密性が保てるかという懸念がありました。ロッテルダム港とYOKOGAWAは、各社の情報の機密性を確保しながら高度な産業間連携を実現し、コンビナート全体での最適化することを目指しています。

熱や電力、水素などの各社の用役設備等を統合することにより、エネルギーやCO2排出量の削減が期待できるなど、新たな効率化が可能になります。例えば、電気に関しては、電力の需要家側での消費を平準化しピークを抑えることで、港湾内の電力系統の混雑防止や緩和につながります。また、副産物として蒸気を発生する事業者の場合、近隣の事業者が蒸気をエネルギーとして使用する需要が高まるタイミングで増産することで、無駄な廃熱を防ぐことができます。

ロッテルダム港は、欧州最大の港として200以上もの製造業事業者が立地しており、エネルギートランジションの支援に取り組んでいます。YOKOGAWAは、最適な生産計画の実行を支援するシミュレーション技術や地域エネルギー・マネジメント・ソリューションの提供能力および、これに基づくコンサルティングサービス等を通じて、複数の産業システム間で効率化を図る取り組みを促進してきました。

両社はすでに、ロッテルダム港のコンビナートに所在する複数事業者の操業状況について、シミュレーションにより電気・蒸気・産業ガス等の消費量を試算し、どの程度の削減が見込めるかを比較検討する事前調査を実施しました。また、この中で、同地区内で活動するさまざまな事業者と、将来を見据えたワークショップや意見交換も行いました。結果として、産業間連携でロッテルダム港内のプラント操業に必要な電気、熱、蒸気などのエネルギーや水、水素や二酸化炭素などの産業ガスの需給を最適化することで、最大5%のコスト削減に加え、CO2排出量の削減が期待できることが分かりました。さらに、長期的により踏み込んだ連携が実現できれば、10%もの改善が見込まれることが明らかになりました。この地域で操業するすべての事業者がエネルギーや資源等を共有し合うことで、より高効率な操業が可能になりうることが試算でき、ロッテルダム港のコンビナートが「産業間連携」に向けて発展していくという将来像が見出せました。

このたび、ロッテルダム港と横河電機は、各事業所の実際の操業状況に基づき、産業間連携の取り組みを具体化するため、同地域内の石油化学分野とエネルギー分野の事業者とともに実現可能性調査を開始しました。第1回の結果は2023年末までに得られる予定です。良好な結果が得られれば、次のステップとして、2024年から港内の協力事業者との実証実験の計画策定を行う予定です。

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