横河電機、Sushi Sensorの新ラインアップとしてワイヤレススチームトラップ監視装置を発売
Sushi Sensorは耐環境性と広域使用に優れた産業用IoT向け無線ソリューションです。2018年の提供開始以来、さまざまな業種でご活用いただき、累計2万台以上を出荷しています。
横河電機株式会社は、OpreX™ Asset Management and Integrityのソリューションの一つである「Sushi Sensor(スシセンサ)」の新ラインアップとして無線スチームトラップ監視デバイスを開発し、2023年11月から国内で販売を開始しますのでお知らせします。
開発の背景
スチームトラップは、蒸気輸送管や熱交換器、空調機などに用いられる自動弁で、機器に溜まった凝縮水を排出します。スチームトラップの不具合による損失額は、工場の規模にもよりますが、一般的に工場全体で年間数百から数千万円に及ぶと認識されています。現在は、多くの場合、多数のスチームトラップを日常的に作業員が巡回点検で監視しています。この点検の負荷を低減するためには自動監視システムの導入が有効ですが、導入コストが障壁となっていました。
加えて、スチームトラップのみの状態監視だけではなく、幅広い設備監視を同一のインフラ上で行いたいというニーズがありました。
製品・サービスの特長
本製品は、以下の特長を生かしてスチームトラップのメンテナンスをサポートし、エネルギー損失を低減します。Sushi Sensorのラインアップである無線圧力センサ、無線温度センサ、無線振動センサと組み合わせることで、幅広い設備監視を行うことができます。
1. スチームトラップの状態を自動判定
高品質な温度センサと音響センサにより、スチームトラップの状態を判定します。最高蒸気温度440℃以下の環境で使用できます。
2. 無線ネットワーク構築費用を低減
無線スチームトラップ監視デバイスは、1km程度離れての通信が可能で広大なエリアの設備監視を可能とする長距離無線LoRaWAN®通信を採用しています。1台の基地局で、広域に配置される複数の監視デバイスをつなぐことができ、他の方式に比べてネットワークの構築コストを抑えながら、短い工期で既設の設備に取り付けることができます。
3. 点検品質のばらつき低減と、巡回点検工数の削減
別売りのデータロギングソフトウェアGA10や、広域モニタリングシステムなどを活用することで、工場内に点在する各スチームトラップの状態も含めて集約して把握できます。点検品質のばらつきを低減できるほか、巡回点検の工数を削減できます。
横河電機執行役員 横河プロダクト本部長 田野口 宏は次のように述べています。「この度、コストを抑えて効率的なネットワークが構築できるSushi Sensorのラインアップを拡充しました。将来的には、スチームトラップの状態に応じたエネルギー損失推定金額を算出し、リスクの高い設備から優先的にメンテナンスを行う計画が作成できるエネルギー監視ソリューションを提供していく予定です。当社は、このような利便性の高いソリューションを提供することにより、ESG経営を目指すお客様の地球温暖化ガスの排出量削減に貢献していきます」。
主な市場
- 資源・エネルギー(石油、化学、天然ガス、発電所、再生可能エネルギーなど)
- 素材(繊維、紙パルプ、ゴムなど)
- 食品・飲料
- 製薬 など
用途
蒸気配管設備におけるスチームトラップの状態監視
www.yokogawa.co.jp