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Vanzetti Engineering SpA
Vanzetti Engineeringから、好調な売上高や進行中のプロジェクトをご報告
Vanzetti Engineeringは2023年をしっかり終え、売上高が前年を大幅に上回るなど、近年の好調さが続いていることを確認しました。さらに、豊かな技術を盛り込んだクライオジェニック・ソリューションの継続的な開発や長期的パートナーシップの構築に加え、新市場の開拓などを通じて、この先3年間もさらなる成長を果たせる見通しです。
イタリア・カヴァッレルレオーネ、2024年1月―液化天然ガス(LNG)や気体ガスのためのクライオジェニック機器の設計・製造を専門とするイタリア企業Vanzetti Engineeringは、2023年を良好に終えました。この昨年の成長は、主に船舶用のデュアル・フューエル市場が牽引するものであり、前年からの堅調さを改めて確認できました。決算期を終えた時点での売上高は約3,300万ユーロで受注残高は6,200万ユーロを超えており、受注の増加傾向を受けた年平均成長率は+20%でした。当社の出資者とともに実施した業界分析の結果によると、クライオジェニック・ポンプ市場の平均成長率は約+10%であり、当社の数字はこれを上回るものとなりました。
Vanzetti Engineering本社
地域別にみると、Vanzetti Engineeringの市場はますますアジアが牽引するようになっており、2022年以降は総受注量の70%をアジアが占めるにいたっています。そのほかの受注30%は欧州市場が占め、特に海洋分野とバイオガス分野でのプレゼンスが強まるとともに、自動車分野でも古くからのポジションを変わらず維持しています。
一方、製品別では、2023年に市場からの反響が最も大きかったソリューションとして、今や世界的に認知されるブランドとなったARTIKAシリーズのサブマージ型クライオジェニック・ポンプのほか、自動車産業やさまざまな産業用ガス・アプリケーションで利用されている一体設計のVT-1から派生したモデルであり、海洋分野で広く普及しているVT-3デュプレックス高圧往復動ポンプが挙げられます。
組立中のサブマージ型ポンプARTIKAシリーズ
往復動ポンプVT-1シリーズ
Vanzetti Engineeringの代表取締役Valeria Vanzetti Ghioは次のように説明しています。「当社2023年の優れた業績をご報告できる運びとなりうれしく思います。アジアの主要企業との長期的なパートナーシップと良好な関係によって実現した海洋市場の発展を大きな原動力として、新たなマイルストーンにいたることができました。このアジア市場は、さまざまな分野に応用されるクライオジェニック技術のキープレイヤーとしての当社の国際的プレゼンスを高めるのに不可欠な存在です。社員全員が多大な貢献を果たすとともに、揺るぎないコミットメントを示してくれたおかげで、当社は成長を遂げることができました。さらに将来を見据えて、今後の課題をしっかり意識しながら、持続可能な技術開発をいっそう進めるための新たな機会を見逃さないように、その準備も整っています」。
これからのプロジェクト
Vanzetti Engineeringの受注高は、過去5年間に比べれば力強さは低下するものの、この先3年間も市場ベンチマークに応じた成長が見込まれています。この予測は、一部の市場の指標に加えて、Vanzetti Engineeringが直近に予定している新規プロジェクトに関連するいくつかの要素に基づいたものです。
まず一つには、欧州における自動車用LNG市場の回復が遅れる可能性を考慮しなければなりません。現在の地政学的状況や電力優遇政策により、LNG価格が一時的な足かせとなっているからです。また海洋分野の代替燃料市場ではメタノールとアンモニアとの競合が強まっていることも考え合わせる必要があります。そのうえ、当社とその製品の特徴である高水準な品質と信頼性を維持しつつ、組織的な関係強化による生産能力の拡大をほかの企業と協力して行うことも重要です。
Vanzetti Engineeringの新プロジェクトの中で、特に将来の成長にプラスに働くと期待されるのは格納式ポンプの新シリーズの設計であり、これによって当社は“小規模LNG基地(Small Scale LNG Terminal)”市場で新たなチャンスをつかむための戦略的ポジションに立てるうえ、高圧と低圧の両製品を強化することで船舶用デュアル・フューエル市場という新たな分野に参入できます。Vanzetti Engineeringはまた、アジアや北米といった新たな地域への市場拡大に向けた戦略的投資も計画しており、産業用ガス分野でのシェア回復を目指しています。
遠心式ポンプSGMシリーズ
一方、Vanzetti Engineeringとしての実績面では、生産能力の拡大に加え、2023年に新しい多機能窒素テストベンチの開発を完了しました。
最後になりましたが、Vanzetti Engineeringでは航空宇宙分野での重要な新規プロジェクトも進行中です。実際に、イタリア航空防衛・安全保障工業会(Federation of Italian Companies for Aerospace, Defense and Security:AIAD)、イタリア宇宙機関(Italian Space Agency:ASI)、イタリア・ピエモンテ州に広がる科学技術に優れた航空宇宙企業らの団体(Piedmont Aerospace Cluster:DAP)など、主要な組織や業界団体と協力しています。
https://www.vanzettiengineering.com/