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ルネサス、産業オートメーション向け高性能 RZ/T2H MPU を発売

RZ/T2H は、9 軸モーター制御と産業用イーサネットを 1 つのチップで実現し、部品コストを削減して高度なファクトリー オートメーションの開発を加速します。

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ルネサス、産業オートメーション向け高性能 RZ/T2H MPU を発売

ルネサス エレクトロニクス株式会社は、同社の産業用MPU(マイクロプロセッサユニット)として最高性能を誇る「RZ/T2H」を発表しました。この新製品は、高いアプリケーション処理能力とリアルタイム性能を備え、産業用ロボットにおける最大9台のモーターを高速かつ高精度に制御することを可能にします。また、1つのチップで、PLC(プログラマブルロジックコントローラー)、モーションコントローラー、DCS(分散制御システム)、CNC(数値制御装置)などの制御機器に必要な産業用イーサネットを含む、多様なネットワーク通信を実現します。

工場における無人化、省人化のニーズの高まりに伴い、垂直多関節型ロボットなどの産業ロボットや、工場のオートメーション化を実現するコントローラ機器の導入が進んでいます。RZ/T2Hは、こうしたアプリケーション開発に不可欠となる性能と機能を集積しました。これにより、従来MPUを複数チップ使用したり、FPGAを組み合わせて実現していたシステムをRZ/T2Hの1チップで実現できるようになるため、部品点数の削減や、FPGAのプログラム開発にかかる工数の削減が可能です。

ルネサスのエンベッデドプロセッシング第一事業部の事業部長、Daryl Khooは次のように述べています。「RZ/T2MとRZ/T2Lは、市場で大きな成功を収めています。RZ/T2H はその成功を土台にして、産業分野のお客様が既存の設計資産を活用しながら、さらに革新的な機能追加や性能向上を実現可能にします。特に、RZ/T2H によって 9 軸モータ制御を 1 つのチップで実現できる点について、お客様から高い評価をいただいています。」

高いアプリケーション処理能力とリアルタイム性能を1チップに
RZ/T2HはアプリケーションCPUとして最大動作周波数1.2GHzのArm® Cortex®-A55を4つ搭載し、外部メモリ用に高速データ転送規格LPDDR4-3200(32ビット)をサポートします。リアルタイムCPUには最大動作周波数を1GHzまで高めたCortex-R52を2つ搭載し、各コアに大容量密結合メモリ(TCM)を合計576KB搭載しました。これにより、高いCPU性能と大容量のメモリが必要なLinuxアプリケーションや、ロボットの軌道計画生成、PLCのシーケンス処理に加え、リアルタイム性能が要求されるモータ制御や産業イーサネットのプロトコル処理を1チップで実行することが可能です。

最大9軸のモータ制御により、部品コストと開発工数を削減
RZ/T2Hは産業ロボットなどで使用されるサーボモータを最大9軸まで高速・高精度に1チップで制御可能です。モータ制御に必要な三相PWMタイマ、電流値測定用のΔΣインタフェース、エンコーダインタフェース(A-format ™、EnDat、BiSS®、Hyperface DSL、FA-CODERに対応)を全て9軸分搭載しています。また、これらのモータ制御向け周辺機能をリアルタイムCPUコアであるCortex-R52の低遅延バス(Low Latency Peripheral Bus)上に配置することでCPUからの高速アクセスが可能です。

産業イーサネットや汎用イーサネット通信に柔軟に対応
RZ/T2Hは4つのイーサネットポートと、3つのギガビットイーサネットMAC(GMAC)、およびイーサネットスイッチを搭載しています。EtherCAT、PROFINET、EtherNet/IP、OPC UAや、次世代のTSN(Time-Sensitive Networking)規格にも対応します。これらイーサネットスイッチやGMACなどの組み合わせにより、複数の産業イーサネット通信におけるコントローラおよびデバイスのサポートだけでなく、上位層との汎用イーサネット通信など、コントローラ機器に求められる多様なネットワーク要件に柔軟に対応します。

産業ロボットやコントローラに特化したボード&ソフトウェアを提供
RZ/T2H向けソフトウェアとして、ルネサスの共通ソフトウェアであるFlexible Software Package(FSP)や、長期サポートのLinuxパッケージを提供します。さらに、9軸のモータを駆動可能なインバータボード、多軸モータ制御サンプルソフトウェア、モータ制御ツールMotion Utility Toolも提供するため、最大9軸のモータ制御をすぐに評価できます。産業イーサネットのサンプルプロトコルや、ソフトウェアPLCに対応するサンプルソフトウェアなども提供するため、早期の機器開発が可能です。

IARシステムズのProduct ManagerであるMicael Borgefeldtは次のように述べています。「産業機器の進化に伴い、求められる機能や性能はますます複雑化しています。IARは、ルネサスの32 ビットマイコンから、最新のRZ/T2Hなど64ビットのハイエンドMPUまで幅広く対応します。マルチコア上で多彩なアプリケーション構成の選択肢を提供することで、次世代産業機器の革新を力強くサポートし、開発の自由度と効率を大幅に向上させます。」

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