Microchip 社、安全性が重要なアプリケーション向けのエントリー レベルの MCU を発表
Microchip 社の新しい AVR SD マイクロコントローラには、ASIL C および SIL 2 規格を満たす機能安全メカニズムが組み込まれており、自動車、産業、医療アプリケーションにおけるシステムの複雑さと認証コストが軽減されます。
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エンジニアが設計コストと複雑さを最小限に抑えながら厳しい安全性要件を満たすことができるよう、Microchip Technology Incorporated 社は、厳格な安全性保証を必要とするアプリケーションをサポートするように設計された機能安全メカニズムを内蔵した AVR® SD MCU (マイクロコントローラ) ファミリを発表しました。専用の安全ソフトウェア フレームワークと組み合わせることで、この価格帯で初のエントリー レベルの MCU は、冗長な安全性チェックを義務付ける自動車安全性完全性レベル C (ASIL C) および安全性完全性レベル 2 (SIL 2) 要件を満たすように設計されています。AVR SD ファミリの安全性をさらに強化するため、MCU は TÜV Rheinland 認定の機能安全管理システムに準拠しています。
ハードウェア安全機能には、デュアルコア ロックステップCPU、2つのADC (A/Dコンバータ)、全てのメモリに対するECC(誤り訂正コード)、専用のエラー コントローラ モジュール、エラー注入メカニズム、電圧モニター、クロックモニターが含まれます。これらの機能により、エラー検出時間が短縮されると共にソフトウェアの複雑さも低減されます。AVR SDファミリは、内部フォルトを迅速かつ決定論的に検出する機能を備えており、アプリケーションはわずか1ミリ秒のFDTI(フォルト検出時間間隔)目標を達成し、危険な状況を回避して信頼性を向上させる事ができます。
これらのハードウェア機能がMicrochip社の安全性フレームワーク ソフトウェアと連携して機能安全診断を管理する事で、MCUはエラーを自律的に検出および処理して、必要に応じて安全な状態に移行できます。このMCUは、熱暴走の検出やセンサデータ (ロータリー位置等)の監視等の重要な機能のメインプロセッサとして、最小限の消費電力で利用できます。また、ASIL DおよびSIL 3までのより高い安全度レベルをターゲットとするアプリケーションのセーフティ クリティカルな機能をミラーリングまたはオフロードするための、複雑なシステムにおけるコプロセッサとしても優れた候補です。
Microchip社MCU部門担当副社長のGreg Robinsonは次のように述べています。「セーフティ クリティカルなアプリケーションを設計する際、エンジニアは通常、高価で複雑なデバイスを使うしかありませんでした。Microchip社は、特定の安全機能をエントリレベルのMCUに直接統合し、それをサポートするソフトウェア フレームワークを提供する事で、お客様が厳しい安全基準をより効率的に満たせるよう支援します。AVR SDファミリを使うと、設計者は開発時間を大幅に短縮し、システムコストと認証コストを最小限に抑える事ができます」
AVR SD MCU は、ISO (国際標準化機構) 26262 および IEC (国際電気標準会議) 61508 規格に準拠するように設計されています。安全規格は、航空宇宙/防衛、産業オートメーション、自動車、医療など、幅広い業界で採用されています。具体的な用途としては、飛行制御システム、点火制御、ロボット工学の安全機能、先進運転支援システム (ADAS)、医療用輸液ポンプなどがあります。
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