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RAファミリを拡充、スマートメータ向け低消費電力マイコン「RA4C1」を発売
高度なセキュリティ、デュアルバンク対応メモリ、セグメントLCDなどの豊富な周辺機能を搭載。
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ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下ルネサス)は、このたび、32ビットマイコンRAファミリを拡充し、スマートメータ向け「RA4C1」を発売、量産を開始しました。新製品は、80MHz動作のArm® Cortex®-M33コアと、スマートメータに必要な周辺機能を搭載しました。メータのバッテリ駆動時間を伸ばすために低消費電力を特長としており、周辺機能として高度なセキュリティ機能、豊富な通信インタフェース、デュアルバンク対応フラッシュメモリ、セグメントLCDなどを備えています。電気、ガス、水道、産業用流量計などのメータに最適であり、特に中国市場における大規模な電力メータシステムのニーズにも的確に応えます。さらに、この性能と低消費電力、セキュリティという特長の組み合わせにより、メータ以外でも、スマートロック、サーモスタット、ビル制御、産業機器のユーザインタフェースなど、幅広いアプリケーションにおいても有用です。
低消費電力
RA4C1は、80MHz動作時に168µA/MHzのアクティブ電流、SRAMをすべて保持した状態でも1.79µA未満のスタンバイ電流を実現します。また、リアルタイムクロック(RTC)専用の電源ドメインを搭載しているため、時刻保持用のバッテリバックアップにも容易に対応可能です。さらに1.6Vまでの低電圧動作に対応しているため、小型バッテリの採用や、既存バッテリでの高性能化など、バッテリ駆動機器設計の自由度を高めます。
セキュリティ機能
メータシステムにおいて、強固なセキュリティは不可欠な要素です。RA4C1は、専用の制御ロジックにより管理、保護されたルネサスのセキュリティエンジン「RSIP」を搭載しています。256ビットのハードウェアユニークキーや真性乱数発生器(TRNG)に対応しているほか、ラップドキーの生成を含む鍵管理機能、SHAアルゴリズム、AESのハードウェアアクセラレーション、そして最大384ビットの鍵長に対応したNISTおよびBrainpool曲線準拠の楕円曲線暗号(ECC)もサポートしています。さらにRA4C1は、欧州規制に対する継続的な取り組みの一環として、今後、欧州で適用されるサイバーレジリエンス法(CRA)準拠の要件を備えたPSA Certified Level 1を取得しました。
メモリとその他周辺機能
RA4C1は、メータシステムに求められるあらゆる要件を満たすよう設計されています。ソフトウェアを安全かつ柔軟にアップデート可能なデュアルバンク機能に対応する最大512KB(キロバイト)のコードフラッシュメモリに加え、、データ保存用として96KBのSRAMと8KBのフラッシュメモリを搭載しています。周辺機能として、A/Dコンバータ、チップ温度測定用温度センサ、セグメントLCDコントローラを内蔵しています。
ルネサスのエンベデッドプロセッシング事業部、事業部長のDaryl Khooは次のように述べています。「ルネサスは、RL78、RX、RAマイコンなど、グリーンな未来のための高度なスマートメータソリューションを実現するのに役立つ幅広い製品ラインアップを揃えています。そして今回、世界中のお客様との強固な関係を基盤に、現在および将来のニーズに最適化した新しいRA4C1 を開発しました。」
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