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09
'25
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垂直軸にスマートな安全機能を
包括的なブレーキソリューションによって安全性を確保するともに、よりインテリジェントな生産環境を実現します
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図1:ROBA® topstop®は、センサーレスの監視システムへ簡単に接続・統合できるプラグを標準装備しています。
ロボットアプリケーションにおいては重力の作用する軸も安全でなければなりません。ドイツ・ニュルンベルクで開催されたSPS 2025でMayr®は、その安全性をスマートな環境として実現可能にする新世代のROBA® topstop®セーフティブレーキを紹介しました。また、これと互換性のあるROBA® brake-checker®モジュールによって、ブレーキの状態を常にモニタリングできます。さらにROBA®ゲートウェイを組み合わせれば、機械の予防保全やデジタルツインのための貴重なデータが得られるシステムとなり、スマートな生産環境が整います。加えて、実用的なチェックリストを通じたブレーキの機能検証もサポートしています。
垂直軸をもつ生産設備やロボットでは、人の安全や資機材の保護が極めて重要となります。その基本要素となるのが、フェールセーフ原理に基づいて設計されたセーフティブレーキ、つまり通電していない状態でも作動するブレーキです。Mayr®のROBA® topstop®は、負荷を確実に所定の位置に保持し、停電や緊急停止時にも制御不能な動きが発生しないようにします。モーターとその出力側機器の間に設置するものであるため、既存の構造に後付けすることができ、余計な手間とコストを抑えられるソリューションとなっています。
ロバストな構造で信頼性を確保
産業現場で日常的に運用できるように、ROBA® topstop®ブレーキシステムは独立したコンパクトなモジュールとして装備できます。インターフェースにはOリングを設けて、ほこりや湿気に対する確実なシーリングを保証し、ブレーキの標準仕様として保護等級IP66を実現しています。モーターを取り外した場合でも垂直軸が固定されたままであるため、メンテナンスにも搬送にもメリットが生まれます。また、フランジ寸法を調整できるため、既存の機械構造にも容易に統合可能です。
図2:ROBA®ゲートウェイとROBA® brake-checker®を組み合わせれば、ブレーキのインテリジェントな制御と操作を確実に行えるだけでなく、ネットワーク化したセンサーレスのブレーキ監視による効率的な予防保全も可能になります。
センサーレスモニタリング―スマートな生産現場のためのデータを収集
Mayr®が提供するROBA® brake-checker®は、追加のセンサを必要とせずにセーフティブレーキをモニタリングできるモジュールです。電流と電圧の変化に基づいてブレーキの状態を認識して予防保全を可能にします。スイッチング時間やコイルの温度、ブレーキの余力などの重要なパラメータを高い信頼性で検出できるからです。また、これに加えてROBA®ゲートウェイモジュールを追加すれば、ネットワーク対応のソリューションとなり、収集したデータを遠隔にある既存の保守システムに統合したり、デジタルツインを作成したりすることも可能です。そのため、スマートな生産業務の確保や駆動ラインの透明性を高めることができます。
検証ツールでサイズの決定も容易
こうした技術以外にもMayr®は設計段階でのサポートを提供しています。たとえばDIN EN ISO 13849-1規格にしたがって、安全機能の指標B10dを使った検証を支援するために特別に開発した機能をご用意して、ブレーキのサイズ決定を容易にしました。また体系的にまとめたチェックリストには、適用されている基本的かつ実証済みの安全基準に関するすべての関連情報が含まれており、運用するブレーキの評価を標準化できます。特にROBA® topstop®はTÜV(ドイツの第三者認証機関)によってカテゴリ1の「実証済みの部品」に認定されているという事実も大きな強みです。
Mayr®は、新世代のブレーキとそれに関連するデジタルモジュールにより、自動化の安全性が極めて重要なアプリケーションに向けて、慎重に設計したエンド・ツー・エンドのソリューションを提供しています。展示会SPS 2025では、スマートな駆動コンポーネントが安全性の向上だけでなく、いかに貴重なデータの可用性を保証するものであるかもご紹介しました。

