www.engineering-japan.com

Ambiq、Embedded World 2026でエッジAI向けSoCを展示

産業機器や医療機器に用いられる組込みシステム向けに、低消費電力の機械学習を実現するプロセッサと開発ツールを紹介する。

  ambiq.com
Ambiq、Embedded World 2026でエッジAI向けSoCを展示

エッジAI向けハードウェアは、組込み機器やバッテリー駆動機器において、ローカル処理性能と厳しい電力制限を両立させる設計が求められる中で進化を続けている。こうした背景のもと、**Ambiqは、ドイツ・ニュルンベルクで2026年3月10日から12日まで開催されるEmbedded World 2026**において、低消費電力機械学習向けの新しいSoC技術およびソフトウェアツールを展示する予定だ。

低消費電力を軸にしたエッジAI処理
同社の技術基盤は、SPOT®(Subthreshold Power Optimization Technology)プラットフォームにある。これはトランジスタをサブスレッショルド領域で動作させることで、動作時および待機時の消費電力を抑える設計手法である。このアプローチは、バッテリー寿命や熱設計制約が演算性能を左右するウェアラブル医療機器、スマートコンシューマ機器、産業用IoTセンサなどで特に有効とされる。

展示ブースでは、同社プロセッサがメモリ使用量とレイテンシという、組込みAI導入時の主要な制約を管理しながらオンデバイス推論を実行する方法が紹介される。デモでは、同社のランタイム環境向けに最適化されたモデルを用い、AI処理時の消費電力ベンチマーク、メモリフットプリント削減、レイテンシ短縮といった指標が示される予定である。

NPUを統合した新しいSoCシリーズ
主要展示の一つが、ニューラルプロセッシングユニット(NPU)を統合したAtomiq SoCシリーズである。この設計は、従来の超低消費電力マイコン級デバイスよりも高いメモリ帯域と演算資源を必要とするAIワークロードを想定している。SPOTプラットフォームの12nm実装で製造されており、クラウドに処理を移行せずにより複雑なニューラルネットワークを実行する必要があるエッジAI機器を対象としている。

NPUとSPOT電力アーキテクチャを組み合わせることで、1回の推論あたりの消費エネルギーを抑えつつ、ローカルで扱えるモデル規模の拡大を図る構成となっている。これは、常時センシング、音声インターフェース、ビジョンベースのエッジシステムなど、クラウドへ生データを送信すると消費電力やレイテンシが増大する用途に適している。

大量導入実績のあるSoCファミリ
Ambiqは、Apollo SoCファミリも紹介する予定である。同シリーズは、コンシューマ機器、医療機器、産業機器に採用されており、スマートグラス、医療モニタリング装置、工場用センサなどに組み込まれている。累計導入台数は2億9,000万台を超えており、低アクティブ電力と長時間バッテリー駆動が重視される用途で広く利用されていることを示している。

これらのシステムでは、SoCがセンサフュージョンや信号処理に加え、軽量なニューラルネットワーク推論も担うことが増えている。医療や産業モニタリング用途では、長時間連続動作しながらエネルギー消費を抑え、かつ決定論的な応答時間を維持することが重要となる。

組込みAI向けに最適化されたソフトウェア基盤
ハードウェアに加え、ブースではneuralSPOTおよびHeliaプラットフォーム上で動作するAIモデルのデモも行われる。これらのツールチェーンは、Ambiqのハードウェアに合わせてニューラルネットワークを最適化するよう設計されており、メモリ要件やランタイムオーバーヘッドの削減を目的としている。メモリ使用量を抑えることで、モデルをオンチップSRAM内に収めやすくなり、消費電力の大きい外部メモリアクセスを回避できる。また、レイテンシ短縮はリアルタイムのエッジ判断処理を支える要素となる。

www.ambiq.com

  さらに詳しく…

LinkedIn
Pinterest

フォロー(IMP 155 000フォロワー)