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車載HMI向けSiP型ハイブリッドMCU
Microchip社、車載およびeモビリティ用途の高性能HMI対応SiPを発表。
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車載システムおよびeモビリティ分野において、Microchip Technology Incorporatedは、高度なグラフィックス処理と統合メモリを特徴とするSiP型ハイブリッドMCU「SAM9X75D5M」を発表した。本製品は、車載HMI(ヒューマンマシンインターフェース)用途に最適化され、設計の簡素化と供給安定性の向上を目的としている。
車載HMI高度化に伴う設計課題
デジタルコックピットやスマートクラスタの普及に伴い、車載HMIは高解像度ディスプレイや高度なグラフィックス処理を必要とするようになっている。一方で、設計者は限られた基板スペース、電力効率、部品供給リスクといった制約への対応を求められている。
特に、ディスクリートDDRメモリの調達やPCB設計の複雑化は、開発期間やコストに直接的な影響を与える要因となっている。
SiPアーキテクチャによる統合ソリューション
SAM9X75D5Mは、Arm926EJ-Sプロセッサと512Mbit DDR2 SDRAMを単一パッケージに統合したSiP構成を採用している。この統合により、外部メモリ設計の負担を軽減し、PCBレイアウトの簡素化と配線の最適化を可能にする。
また、ディスクリートメモリに依存しない構成により、価格変動や供給制約の影響を低減し、長期供給性の確保にも寄与する。
グラフィックス性能と接続性
本デバイスは最大10インチディスプレイおよび1024×768ピクセルのXGA解像度に対応し、車載HMIに必要な表示性能を提供する。さらに、MIPI DSI、LVDS、パラレルRGBといった複数のディスプレイインターフェースをサポートし、設計の柔軟性を確保している。
通信機能としては、CAN FD、USB、Gigabit Ethernetに加え、TSN(Time-Sensitive Networking)に対応し、リアルタイム性が求められる車載ネットワークへの適用を可能にする。加えて、2Dグラフィックスおよびオーディオ機能も内蔵されている。
ハイブリッドMCUとしての位置付け
本製品は、MCUとMPUの特性を組み合わせたハイブリッドMCUに分類される。従来のMCU開発環境を活用しながら、MPUレベルの処理能力とメモリ容量を利用できる点が特徴である。
これにより、RTOSベースの開発やLinux環境への対応が可能となり、従来のMCUからより高性能なシステムへの移行を検討する設計者に対して、段階的な移行パスを提供する。
車載用途における適用領域
SAM9X75D5Mは、デジタルコックピットクラスタ、二輪・三輪車向けスマートクラスタ、HVAC制御、EV充電器などの用途に適用される。これらの分野では、高い表示性能と信頼性、リアルタイム通信機能が求められる。
また、AEC-Q100グレード2認定により、車載用途に必要な品質および信頼性要件への適合が考慮されている。
開発環境と設計支援
本製品は、MPLAB X IDEおよびMPLAB Harmonyフレームワークに対応し、FreeRTOS、ThreadX、ベアメタル環境での開発が可能である。さらに、各種グラフィックスツールや評価キットも提供されており、HMI開発の効率化を支援する。
産業ジャーナリスト、レクシュマン・ラムダス編集(AI支援)
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