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08
'20
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PEPPERL+FUCHS PROCESS AUTOMATION
Digital Products & Services:モバイル機器によるデジタル化を推進
Pepperl+Fuchsのブランドecomが製品ラインナップを拡大します。今年、特に注目いただきたいのは、新しい»Digital Products & Services»製品ラインです。
未来の産業を支えるのは、生産データの総合的な収集と分析ではないでしょうか。IoTや機械学習の活用を可能にするためにも、そうしたデータは必ず収集して分析・管理しなくてはなりません。すでに周辺ではそうした取り組みがなされていますが、今後はいっそうプロセスに近い領域に及んでいくものと見込まれます。生産プロセスの近くなら、リアルタイムで低遅延に行えます。ただし、サイバー・フィジカル・システムを生産プロセスに組み込むと、従来的な情報技術(IT)と運用技術(OT)の境界はますます曖昧になります。様々な標準化のアプローチがあるとはいえ、残念ながらいまだに、こうしたシステムのほとんどに不整合が見られ、足並みの揃わないのが実状です。製造・生産プロセスを最適化するためには、集中的なデータの処理や管理を促進できるソリューションが必要です。そこで、包括的なデバイス管理をもとに構築したモバイル端末システムがあれば、ゲートウェイとして機能するだけでなく、画像取得から従業員保護まで専用アプリケーションや幅広い機能によって基幹システムとのネットワーキングにも対応できます。危険な環境のなか一人で作業するのが普通という場合もあり、従業員の保護は特に重要です。そのため、フィールドで確実に機能するだけでなく、潜在的な危険を伴う場合にも移動作業者を効果的に保護しなければなりません。
こうした点を念頭に特別に設計したecomの「Smartphone Smart-Ex® 02」などのモバイル端末には、多くの強みがあります。堅牢さや人間工学への高い配慮、操作性に加えて、センサには専用ソフトウェアを組み合わせることでDGUV規定のBGR-139に準拠し、単独作業者の保護を保証しています。たとえば緊急通報は単独作業者向けソフトウェアからだけでなく、緊急通報ボタンからも発信可能であり、単独作業者を確実に保護できます。さらに危険区域での使用を前提に設計されたBluetooth Low Energy(BLE)ビーコンにおいては、GPSを用いずに、あるいは屋内でも従業員の位置を特定可能です。同時に、この本質安全防爆Androidスマートフォンは、モバイル・ハブとしても機能します。21の異なるLTE周波数帯に対応しており、SIMロックを解除した状態でご提供しています。地域の規制に対する承認に加え、グローバルな防爆認定を受けていますので世界中でお使いいただけます。本質安全防爆スマートフォンとして、使用温度範囲-20~+60℃に対応した設計となっており、非常に極端な環境でも利用可能です。加えて、危険場所Zone 1/21およびDivision 1対応の端末として初めて、Googleの厳しいAndroid Enterprise Recommended認証を取得しました。このように、ハードウェアとOSのサポートに加え、Androidのアップグレードや定期的あるいは緊急のセキュリティ・パッチを通じて、モバイル・ソリューションとしての一貫性や導入・運用の容易さを保証しています。こうした機能性から、端末の導入と保守に要する時間とコストを抑制でき、ユーザーの総保有コスト(TCO)も軽減されます。
そのほか、データ送信を可能な限り簡単にするためには、モバイル機器がエンタープライズ・モビリティ管理(enterprise mobility management:EMM)システムと直接かつ円滑に通信できることも重要です。つまり、モバイル機器には、EMMシステムのハードウェアとソフトウェアに対応した包括的な認定が必要にもなります。そこで、ecomは、Android Enterprise Recommended認証と同時に、市場の有力なデバイス管理システムに対する認証も保証しています。また、適切なソフトウェアとアプリによって、1つの技術に限定されることなく総合的なネットワーク構築も可能です。このようなソリューションなら、データ保護に加えて機器も集中的に管理でき、どんなインフラにも対応できます。そのため、モバイル機器管理ソフトウェアによる迅速な機器の展開と、運用システムへのセキュアで高速な通信が可能になります。そのうえ、アプリとOSのインストールやアップデート、管理も自動的に行えます。
ecomの新しいDigital Products & Services部門は、Smart-Ex® 02などのモバイル端末におけるシステム構築や管理、リアルタイム・モニタリングを可能にします。端末の製造段階での自動的な事前設定に、総合的なモバイルデバイス管理と分析手法を盛り込んでいますので、これらのモバイル機器は簡単にセットアップして管理いただけるだけでなく、いつでも無線通信でアップデートすることも可能です。また、履歴データの分析によって、いつでもセキュリティ面で重要なプロセスが明確になります。必要があれば、このソリューションも本格的なEMMシステムとして利用することで、運用におけるIT部門の負担を軽減するとともに、セキュリティを高めることも可能です。
産業利用に特化して設計した端末と、企業活動に有効なデジタルサービスによって、モバイル端末を独立したハブとすることで効果的なデジタル化を支えます。その活用により、データの評価もいっそう高速で容易になります。したがって、方法やプロセスに対する包括的な洞察が得られ、どこに改善の余地があるかも判断できます。同時に、たとえ爆発のリスクのある環境であっても、モバイル機器によって従業員を守り、その日常業務をもっと容易にします。