メンテナンスにお困りなら、スマート搬送技術（SCT）を

一軸ねじ式ポンプは、1930年代に航空機技術のパイオニアでもあるルネ・モアノがジェットエンジン用コンプレッサの考案を進めるなかで、そのポンピング原理を発見し、開発に至りました。このポンプは、非常に応用性に富む回転容積式ポンプの一種です。二重のらせん溝をもつステータではポンプの吸引口から吐出口まで厳格にシールして、流体の入る均一なキャビティが設けられており、その内側を回転させるかたちで一本のらせん型の金属製ロータを用います。このようなシンプルなポンピング原理ながら、様々な粘度や温度に対応でき、気体や固体の混ざった物質を優しく搬送します。特に一軸ねじ式ポンプは、下水処理アプリケーションにおいて汚泥の搬送によく使われています。そうした大きな搬送能力を要するアプリケーションに対応できるのですが、一方で大型になり保守も困難になりがちです。

従来の一軸ねじ式ポンプは、金属管の内側にエラストマーを化学的に接着するかたちで製造したステータを採用していました。ポンプを検査したり交換したりするためにステータを取り外す場合は、必ず吐出側の配管も取り外さなければなりません。そのため、ステータやロータの交換には、特別な作業者と吊り具が必要となります。したがって、ダウンタイムが長引き、余計なコストも発生してしまいます。


特許技術のSmart Conveying Technology（SCT）は、できるだけ短時間に確実にメンテナンスできるようにします。その結果、ダウンタイムが減少し、どんな産業分野でもライフサイクル・コストを大幅に抑制可能です.

SEEPEXのSCTポンプは、一段式および二段式設計のモデルをご利用いただけます。二段式モデルは、より大きな流量と圧力を必要とするアプリケーションに応えられるようにご用意したものです。ただし、いずれのポンプでもユーザーは特別設計のSmart Stator（スマート・ステータ）とSmart Rotor（スマート・ロータ）に簡単にアクセスできます。さらに、メンテナンスのために特別な工具はいっさい不要であり、作業は一人で行えます。吐出側の配管を取り外す必要もありません。



SCTという独自の設計により、必要なアプリケーションに応じてロータとステータ間のシーリングを調整できるうえ、摩耗が生じ始めてもそれを補正することが可能です。そのため、一般にロータとステータの寿命が二倍以上に拡大します.


Smart Statorは2分割の自由成型エラストマーからなり、このステータの位置決めと軸方向にシールする4つの調整用金属セグメントでおおわれています。この調整用セグメントと半割ステータは簡単に取り外して、内部を素早く検査したり、残滓や詰まりを取り除いたり、部品を交換するなどし、流れを最適化することができます。一般にステータの摩耗が進むと流速が減少するため、モータの速度を高めなければなりません。そのためエネルギー消費量も大きくなります。しかしながら、Seepexのこのステータ設計では、調整用セグメントを何度でも締め直せるため、エラストマー製の半割ステータに再度テンションをかけて摩耗分を補正できます。そうしてポンプ本来の流量に戻すことが可能なのです。また、このステータ調整用セグメントをシステムの圧力差に耐えるように締め込んでおくだけでよく、始動トルクも運転トルクも、そしてエネルギー消費も相対的に小さくなり、結果として優れたエネルギー効率が実現します。しかも調整用セグメントは摩耗部品ではありませんので、ポンプの寿命までずっと使い続けられます。一方のエラストマー製の半割ステータもリサイクル可能であり、廃棄物とその廃棄コストが減少します。Smart StatorとSmart Rotorは、吸引側と吐出側どちらの配管も取り外すことなくポンプの保守が行えるように2ピース構造で製造しており、これによって保守に要する時間が85％短縮されます。

より詳しい情報につきましては当社Webサイトhttps://www.seepex.comをご覧ください。