村田製作所、世界最小のIoT通信モジュールを開発
村田製作所は、Wi-Fi 6、Bluetooth Low Energy、Threadに対応し、通信プロトコルを処理するMCUを搭載したIoT機器向け世界最小の通信モジュール Type 2FR/2FPを開発しました。
www.murata.com
本製品は、スマートホーム製品の通信プロトコルの共通規格であるMatter™に対応しており、IoT機器の小型化と低消費電力化に貢献します。本製品は2024年10月より量産を開始しました。また、MCUを搭載しない「Type 2LL/2KL」も同時に開発しました。このモジュールは、2025年前半に量産開始予定です。
IoT機器には多様なユースケースがあり、低コスト化や小型化、バッテリ寿命の延長に加え、柔軟な無線技術の選択やネットワーク接続時の互換性、安全な接続に向けたセキュリティ強化が求められています。さらに、早期市場投入を可能にする各種通信規格への認証済み無線ソリューションが必要とされています。
当社は、これらの要求に応えるため、サイズが12.0mm x 11.0mm x 1.5mmと世界最小であり、Wi-Fi 6、Bluetooth® Low Energy、Threadの3種類の規格に対応した当製品を開発しました。当製品に搭載のMCUは260MHz Arm® Cortex®-M33を採用しており、高度なセキュリティ機能と最新のMatter規格への対応が可能です。また、外部アンテナオプションを利用することで、電波法認証済みのソリューションとしてもご活用いただけます。お客様のIoT機器の早期市場投入に貢献します。
さらに、当社はMCU非搭載の無線モジュール「Type 2LL/2KL」を開発しています。こちらの製品は、他のMCUと自由に組み合わせて使用することが可能です。
主な特長
- 優れた接続性と互換性 (Type 2FR/2LL)
- IoT機器での利用頻度が高いWi-Fi6、Bluetooth® Low Energy、Threadの3種類の規格に対応した送受信機能を搭載しています。
- 高性能MCUを搭載 (Type 2FR/2FP)
- 260MHz Arm® Cortex® -M33を搭載。ユーザアプリケーションの実行にも利用可能です。
- 同一機能の通信モジュールとして世界最小(Type 2FR/2FP)
- 当社独自のパッケージング技術であるSR成形技術によって、多くの機能を小型のパッケージに集積しています。
- セキュリティ機能を統合(Type 2FR/2FP)
- 安全なデータ通信を実現し、最新のサイバーセキュリティ要件(SESIP Level 3およびPSA Level 3)に準拠できます。したがって、セキュアICを別途用意する必要がありません。Cyber Resilience Act (CRA)の対応に最適です。
- 長いバッテリ寿命
- 迅速にスリープ状態に移行する機能(TWT)など、IoT機器での利用に適した機能を厳選して搭載し、消費電力を最小化しました。これによって、端末のバッテリ寿命を延長できます。
- 早期市場投入の実現
- 北米、欧州、日本市場に向けた完全認証済みの外部アンテナオプションを導入できます。お客様の最終製品が市場投入されるまでの時間を短縮し、IoT機器の開発コスト削減に貢献します。