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Ethernet/IPと産業オートメーションの未来像を描く-ODVAが第23回年次総会を開催

ODVAは2025年3月20日、米国フロリダ州クリアウォーターで第23回年次総会を開催し、設立30周年を迎えた祝意を皆様と共有しました。1995年の設立以来、ODVAの中核であるCommon Industrial Protocol(CIP)技術は大きく進化し、主要なEtherNet/IPオートメーション・ネットワークのバックボーンとしての役割を担うようになっています。今年の年次総会には約40社から100 名以上の業界をリードする専門家が参加しました。特にBitsight Technologies 社の主席研究員Pedro Umbelino 氏からは『Industry 4.0 Security: Protocols, Risks, Trends and Challenges〔インダストリー4.0のセキュリティ:プロトコル、リスク、トレンド、課題〕』というテーマで、ARC Advisory Group社副社長のCraig Resnick氏からは『Key Trends in Smart Manufacturing and Operational Resilience to Help Navigate Digital Transformation〔スマート・マニュファクチャリングの主要トレンドとDXのかじ取りに役立つ弾力的運用〕』と題して基調講演いただきました。また先行して開催したODVAの2025年Industry Conference(産業カンファレンス)では、欧州サイバー・レジリエンス法(EU Cyber Resilience Act)とCIP Security、人工知能(AI)、IPv6とEtherNet/IP、5GとCIP Motion、CIPデバイスためのメタデータ、カーボン・ニュートラルとCIP Energy、EtherNet/IP In-Cabinet、Concurrent Connection(同時接続)など、産業オートメーションに関連する幅広いトピックを取り上げました。この第23回年次総会の最後には、ODVAの最近の技術的成果と将来に向けたビジョンとともに、新たに選出されたODVA経営陣も発表しました。
昨年の第22回年次総会のあと、EtherNet/IPはセキュリティ機能の追加を通じてプロセス産業の要件に応えるなど大きな変革を重ねてきました。現在では、レベルセンサに加えてRTDと熱電対との温度センサにも対応できるように拡張されたプロセス・デバイス・プロファイル、Concurrent ConnectionとCIP Safetyを組み合わせる機能、PA-DIMバージョン1.1のサポート、新しいデバイスベースのファイアウォール、さらにはCIP Securityコンフィギュレーションのプルモデルを備えるまでになりました。こうした進展によりベンダ間の互換性の向上、分析や最適化が容易になるデータモデルのサポート、悪意ある行為を防ぐためのセキュリティの継続的強化が実現し、EtherNet/IPでカバーできるアプリケーションと市場が広がることで産業用ネットワークにおけるリーディング・ポジションを変わらず守っていけるものと考えています。
ODVA第23回年次総会に先立って開催した2025年Industry Conferenceでは、ODVA技術に期待される将来の発展を扱った多数の技術論文が発表されました。これらの論文では、規格の更新が確定・発行されれば、その後すぐにEtherNet/IP仕様にも盛り込まれることになるIPv6規格などの技術が取り上げられました。なかでも、このIPv6はすでにインターネットの全トラフィックのほぼ半分を占めるにいたっています。OT現場でも、IoT対応デバイスやセンサ、相互接続の機械が急増し、これまでのIPv4では実現できないほど多くのアドレス空間が求められています。そのIPv6以外にも次のような発表がなされました:
昨年の第22回年次総会のあと、EtherNet/IPはセキュリティ機能の追加を通じてプロセス産業の要件に応えるなど大きな変革を重ねてきました。現在では、レベルセンサに加えてRTDと熱電対との温度センサにも対応できるように拡張されたプロセス・デバイス・プロファイル、Concurrent ConnectionとCIP Safetyを組み合わせる機能、PA-DIMバージョン1.1のサポート、新しいデバイスベースのファイアウォール、さらにはCIP Securityコンフィギュレーションのプルモデルを備えるまでになりました。こうした進展によりベンダ間の互換性の向上、分析や最適化が容易になるデータモデルのサポート、悪意ある行為を防ぐためのセキュリティの継続的強化が実現し、EtherNet/IPでカバーできるアプリケーションと市場が広がることで産業用ネットワークにおけるリーディング・ポジションを変わらず守っていけるものと考えています。
ODVA第23回年次総会に先立って開催した2025年Industry Conferenceでは、ODVA技術に期待される将来の発展を扱った多数の技術論文が発表されました。これらの論文では、規格の更新が確定・発行されれば、その後すぐにEtherNet/IP仕様にも盛り込まれることになるIPv6規格などの技術が取り上げられました。なかでも、このIPv6はすでにインターネットの全トラフィックのほぼ半分を占めるにいたっています。OT現場でも、IoT対応デバイスやセンサ、相互接続の機械が急増し、これまでのIPv4では実現できないほど多くのアドレス空間が求められています。そのIPv6以外にも次のような発表がなされました:
- 5Gとの時間同期を可能にするために利用可能なツールと、そのCIP Motionとの関係
- CIP Securityによる保護-デバイスID管理、安全な通信プロトコル、脆弱性の抑制など、欧州サイバー・レジリエンス法(CRA)および機械安全法(Machinery Safety Act)への準拠を視野に
- 自動運転列車の市場における人工知能(AI)/機械学習(ML)アプリケーションの活用について
- ODVAのデバイス記述ファイルへのメタデータ追加で、オフラインとオンラインの両方でコンテキスト化されたデバイス表現を可能に
- CIP通信による産業用ユースケースに対するBluetooth実装の可能性-デバイスとソフトウェア・クライアントのアプリケーション層インターフェースとして
- カーボン・ニュートラル実現には、CIP Energyを基盤としたリアルタイム・エネルギー・モニタリングとダイナミックなデマンド・レスポンス能力、エネルギー最適化アルゴリズムが必要
- ODVAが定めるConcurrent Connections冗長化に関するベスト・プラクティス-その採用・導入に関する簡潔なプラントして
- CIPデバイス記述に用いるEDSファイルの保護
- FCGがODVA・PNO・OPC Foundationとともに取り組みたいと考えるユースケース
- EtherNet/IP In-cabinetエコシステムの拡充
- ユーザから見た有線EtherNet/IPネットワーク・アーキテクチャ
今回を含めたこれまでのODVA Industry Conferenceおよび年次総会の技術論文とプレゼンテーションは、https://www.odva.org/news-events/industry-conference/library-of-proceedings/からダウンロードしてご覧いただけます。
CIP・CIP Energy・CIP Motion・CIP Safety・CIP Security・EtherNet/IPはODVA, Inc.の商標です。またDeviceNetはODVA, Inc.の登録商標です。その他の商標については、それぞれの所有者に帰属します。