TI、自律運転と安全性の向上を支援する、新たな自動車向け製品ラインアップを発表
業界初の高速シングルチップ LiDAR レーザー ドライバにより、個別のソリューションよりも高速かつ正確な物体の検出が可能
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テキサス・インスツルメンツ (TI) は、車載用 LiDAR、クロック、レーダー チップの新しいポートフォリオを発表しました。これにより、自動車メーカーがより幅広い車種により多くの自律機能を搭載して、安全性を向上できるよう支援します。新製品の LMH13000 は、業界初の統合型高速 LiDAR レーザー ドライバであり、リアルタイムの意思決定を改善する超高速の立ち上がり時間を実現します。また、業界初の車載用 BAW ベースのオシレータ製品である CDC6C-Q1と LMK3H0102-Q1 および LMK3C0105-Q1 のオシレータは、先進運転支援システム (ADAS) の信頼性を向上させます。さらに、進化する ADAS のニーズに対応するため、TI は新しい AWR2944P ミリ波レーダー センサを発表し、前方およびコーナー レーダー機能を強化しました。
詳細については、ti.com/LMH13000、ti.com/CDC6C-Q1、ti.com/LMK3H0102-Q1、ti.com/LMK3C0105-Q1、ti.com/AWR2944P をご覧ください。
TI の ADAS およびインフォテインメント部門 ゼネラルマネージャーである、Andreas Schaefer は、次のように述べています。「当社の最新の車載用アナログ組み込み処理製品は、自動車メーカーが現在の安全基準を満たすだけでなく、衝突ゼロの未来に向けた進化を加速させる助けとなります。半導体のイノベーションは、自動車メーカーが車両全体の自律性を向上させるために必要な、信頼性、精度、高い統合性、そしてコスト効率を実現します」
リアルタイムの意思決定を可能にする、30% 拡長した距離測定
安全な自律運転車の未来に不可欠な技術である LiDAR は、運転者の周囲を正確に捉えた3D マップを提供します。これにより、自動車は障害物、交通、道路状況を正確に検知し、迅速に対応できるようになるため、より瞬時の意思決定が可能となります。TI の新製品である LMH13000 は、業界初の統合高速レーザー ドライバであり、800ps の超高速立ち上がり時間を実現し、個別のソリューションに比べて最大 30% 長い距離の測定が可能です。
低電圧差動信号 (LVDS)、相補型金属酸化膜半導体 (CMOS)、トランジスタ-トランジスタ-ロジック (TTL) 制御信号を統合しており、大容量コンデンサや追加の外部回路が不要となります。この高い統合性により、システムのコストを平均 30% 削減し、ソリューションのサイズも 4 分の 1 に縮小します。設計エンジニアはこのモジュールにより、コンパクトで手頃な価格でLiDARシステムを搭載できます。
また、LiDAR 技術の出力電流が増加すると、温度によるパルス持続時間の変化が大きくなり、目の安全基準を満たすことが難しくなります。TIの LMH13000 レーザー ドライバは、-40℃ から 125℃ までの周囲温度範囲において、わずか 2% の変動で最大 5A の調整可能な電流を出力します。これは、最大 30% の変動が生じる可能性があるディスクリート ソリューションと比較して、大きな改善です。短いパルス幅生成と電流制御により、米国食品医薬品局(FDA)のClass 1 の目の安全基準を満たす設計が可能です。
詳細については、技術記事「LiDAR が飛躍的に進歩:高精度の長距離検出機能で、より安全な自動車を実現します」をご覧ください
業界初の車載 BAW 用ベースクロックで信頼性の高い ADAS を設計
ADAS および車載インフォテインメント システムに搭載される電子機器は、温度変動、振動、電磁干渉といった過酷な環境下でも確実に動作する必要があります。TI の BAW テクノロジー搭載の新製品 CDC6C-Q1 オシレータと LMK3H0102-Q1 および LMK3C0105-Q1 クロック ジェネレータは、従来のクォーツ ベースのクロックと比べて高い信頼性と低い故障率を実現します。つまり、厳しい条件下でも精密なクロック精度と回復力を実現し、より安全な操作、クリーンなデータ通信、高速なデータ処理を次世代車両サブシステム全体で可能にします。
詳細については、技術記事「水晶を超えて:BAW クロックによる ADAS と IVI の再定義方法」をご覧ください。
さらに、 TI はすでに広く採用されている AWR2944 プラットフォームをベースにした新製品のフロント レーダー センサおよびコーナー レーダー センサである、AWR2944P を発表しました。このレーダー センサは、検出範囲の拡大、角度精度の向上、より高度な処理アルゴリズムへの対応により、車両の安全性をより一層高めます。主な機能強化は次のとおりです。
- 信号対雑音比 (SNR) の改善
- 演算性能の向上
- メモリ容量の増加
- マイクロ コントローラとデジタル信号プロセッサがエッジ AI アプリケーション向けの機械学習を実行できるようにする統合レーダー ハードウェア アクセラレータを搭載
TI の新製品である自動車用 LiDAR、クロック、レーダー ソリューションは、より安全で自動化された運転体験を実現する適応性の高い ADAS 設計を支援するという、同社の継続的な取り組みに基づいています。詳細については、 Ti.com/adas をご覧ください。
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