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'19
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EPLAN
盤製造の自動化によるROIを簡単に算出します
実績をもとに目標を決める
制御盤の設計製造におけるバリューチェーンを最適化するにはどうすればよいのでしょうか。あるいは今のデジタル化・自動化への取り組み方から見て、お客様の立ち位置はどうでしょうか。EPLANでは»Panel Building Automation Matrix»(PAM)〔制御盤設計製造の自動化ガイド〕をご提案しています。これは事例研究と150社の実地調査を基につくられました。EPLANはこのPAMを使って、お客様の制御盤製造プロセスの状況をわずか数分で分析します。機械・ソフトウェア・サービスの面からEPLANとRittal社が提供する具体的なコストダウンの可能性を導き出します。
制御設計や制御盤製造プロセスを自動化するには、バリューチェーンのデジタル化、プロセスとシステムにまたがるデータ整合性が前提となります。では、業界でのデジタル化はどこまで進んでいるのでしょうか。多くの企業では、どこから手をつけてよいのか決めかねていのではないでしょうか。
ベンチマークを使った分析方法
150社の調査結果を活用したPAMを使い、機械・ソフトウェア・サービスに関してEPLANとRittal社が連携することで達成できる可能性を具体的に提示することができます。2社の連携で、製造のデジタル化や単純な繰返し作業の自動化がいっそう進むという効果も生まれます。「当社が開発したPanel Building Automation Matrix(PAM)は、クリック操作だけで、お客様の現在の制御設計や制御盤製造の方法を分析し、そのプロセスにおける隠れた可能性を明らかにします」と、EPLANの代表取締役Haluk Menderesは説明しています。
制御盤製造の収益性と効率について、PAMを使い現在のワークフローを分析・評価します。評価結果には、最適化に向けた提案と、必要な投資などが含まれます。配線や機器のラベリングからNC加工まで、ワークフローの様々な場面で達成可能な時間短縮も具体的な数値とともにリストアップされます。詳細なROI分析から、ソフトウェアへの投資の償却に関する情報なども得られます。
EPLANは、2019年5月より、世界中でPAMを活用しています。米国の最初のお客様からは賞賛の声が寄せられました。「PAMによって、数十年におよぶEPLANの制御盤製造技術を、当社の状況に合わせて実現可能なROIプランをまとめてくれました」と、A&E Engineering社の社長Wright Sullivan氏は話しています。また、 Design Ready Controls社の技術開発・営業担当取締役Jacob Wilson氏は「PAMを使い、わずか20分ほどの分析で、当社の業務や製造時間を正確に再現できました」と話します。こうしたお客様の声を励みに、EPLANとRittal社はこれからも新たな分析ステップを加えていきます。Rittal社のソフトウェア・ツールを統合するのに加え、たとえばRittal社の自動配線加工機Wire Terminalや完全自動マシニングセンタPerforexを購入した場合のROI評価などを盛り込む予定です。PAMによる分析は、無料で承ります。
調査結果で明らかになった準備時間:技術者が回路図を見ながら実際に制御盤を配線するのに必要な平均時間は4.5分です。このおよそ31%は準備作業に費やされます。さらに13%が配線長を見積もるなどワイヤの準備に充てられます。残りの56%が実際の配線作業です。所定の長さにワイヤを切断し、端子に挿入して圧着後に引き回します。配線作業中、技術者は何度も回路図をめくって必要な情報を集め、その作業に多大な時間を要することも珍しくありません。このように図面を解釈して読み取るために、作業時間の約1/3を失うこともあります。しかし、設計・製造のデジタル化を行えば、もっとシンプルな作業になります。これにはデジタル配線指示書のEPLAN Smart Wiringがお薦めです。Smart Wiringのデータは、デジタル・プロトタイプに基づいています。
ゴールは明確: EPLANとRittal社は設計と製造を繋いで、ソフトウェアやシステムから機械、技術サービスまで完全に協調した統合ソリューションを創り上げます。そのメリットは明らかです。統合されたソリューションなら、製品製造プロセス以降における生産性と効率も向上できます。最終的には、設計開発から生産とその準備までを連続プロセスへと統合します。それには、生産におけるデジタル部品データ、ソフトウェア・ツール、標準インターフェイスが欠かせません。
背景:
制御技術やその構成要素、お客様のニーズ、国内外の規格はますます複雑に、そして急な変更への対応や納期もいっそう厳しくなっており、制御盤製造にも多大なコスト圧力が働いています。ファイルに綴じた生産設備リストや生産計画、図面を中心とした製造方法を変えることで、制御技術や制御盤製造プロセスはもっと速く、経済的で正確になるに違いありません。そのためには、従来の枠に囚われず、考え方を変える必要があります。その上、競争力で優位に立ち、唯一無二のセールスポイントを生み出せる最大の可能性は、お客様自身のバリューチェーンを個別に検討することでしか見いだせないことはご理解いただけると思います。