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Rohm Semiconductors News

ハイパワーアプリケーションの小型化に貢献する、高電力シャント抵抗器のラインアップを拡充 最大定格10Wの低抵抗「GMR320」を新開発、超低抵抗「PSRシリーズ」も15Wまで定格保証値を拡大

ローム株式会社(本社:京都市)は、車載や産業機器、白物家電などの高電力が必要なアプリケーションに向けて、高電力・低抵抗シャント抵抗器「GMRシリーズ」の中でも最大となる、定格電力10Wに対応した「GMR320」を開発しました。

ハイパワーアプリケーションの小型化に貢献する、高電力シャント抵抗器のラインアップを拡充 最大定格10Wの低抵抗「GMR320」を新開発、超低抵抗「PSRシリーズ」も15Wまで定格保証値を拡大

<要旨>
新たに開発したGMR320は、車載のエンジンECUやヘッドライト、産業機器や白物家電向けの電源やモータなどに最適な定格電力10W、抵抗値5mΩ~100mΩをラインアップ。ローム独自の材料と構造により、一般品と比較して表面温度上昇を23%抑制することに成功しているため、定格電力10Wクラスでは最小サイズでありながら、過電流負荷に対する高い耐久性を実現しています。また、抵抗体金属に高機能合金材料を採用したことで、低抵抗領域でも優れた抵抗温度係数(TCR※1)を達成しており、高精度かつ信頼性の高い電流検出が可能です。

あわせて、高電力シャント抵抗器として好評の「PSRシリーズ」に関しても、端子温度ディレーティングの適用により、定格電力の保証値を最大15Wまで拡大し、抵抗温度係数の規格値も改善しました。0.1mΩ~3.0mΩまでの超低抵抗値をラインアップしているため、GMRシリーズとともに、小型パッケージで高電力対応、高精度検出を実現。自動車や産業機器の小型化に貢献します。

新製品「GMR320」は2021年2月より量産(300円/個:税抜)を開始しています。生産拠点は前工程、後工程ともにROHM Integrated Systems (Thailand) Co., Ltd.(タイ)となります。なお、新製品を含むGMRシリーズ及びPSRシリーズのサンプルは、インターネット商社のチップワンストップ、コアスタッフオンラインでも1個から購入可能です。

さらに2021年10月より、新製品を含むシャント抵抗器の熱シミュレーション用モデルをローム公式Webで提供予定です。これにより、熱設計が特に難しいハイパワーアプリケーションにおいても、実機設計前にシミュレーションを行うことができるため、設計工数の削減に貢献します。

今後もロームは、創業製品でもある抵抗器において、低電力から高電力に至るまで、省エネ・小型化に貢献するラインアップを拡充するとともに、各種ツール提供などの技術サポートにも注力することで、自動車や産業機器の進化に貢献していきます。


ハイパワーアプリケーションの小型化に貢献する、高電力シャント抵抗器のラインアップを拡充 最大定格10Wの低抵抗「GMR320」を新開発、超低抵抗「PSRシリーズ」も15Wまで定格保証値を拡大

<背景>
近年、車載分野や産業機器分野においては、アプリケーションの高電力化が進む一方、省電力化も求められています。そのため、電流を検知するシャント抵抗器にも高電力対応が求められるとともに、アプリケーションの省エネ駆動に必要となる高精度の電流検知が求められています。ロームのシャント抵抗器GMRシリーズ及びPSRシリーズは、高電力下での使用においても高精度な電流検知が可能なため、車載、産業機器、民生のハイパワーアプリケーションに最適です。

<新製品の特長>
今回ロームは、高電力・低抵抗のシャント抵抗器「GMR320」を新たに開発。加えて、高電力・超低抵抗のシャント抵抗器「PSRシリーズ」の保証する定格電力をアップしたことにより、最大で15Wまでの高電力をカバーするラインアップを揃えました。また、両シリーズとも受動部品の車載信頼性規格AEC-Q200※2に対応しており、使用温度も最大170℃でも使用可能なため、エンジン周辺など、特に温度の厳しい車載アプリケーションにおいても、高い信頼性を有します。
(ラインアップの詳細は後述。)


ハイパワーアプリケーションの小型化に貢献する、高電力シャント抵抗器のラインアップを拡充 最大定格10Wの低抵抗「GMR320」を新開発、超低抵抗「PSRシリーズ」も15Wまで定格保証値を拡大

「GMR320」の特長
1.高放熱構造により、
一般品と比較して表面温度上昇を23%抑制
シャント抵抗器は、高電力で使用した際に、製品の表面温度上昇の抑制が課題となります。新製品は、材料の見直しと独自の構造を採用することで放熱性を高め、表面温度の上昇を大幅に抑制。例えば、5mΩ品を7Wで使用した際、一般品が154.3℃に達するのに対して、新製品は117.8℃と表面温度の上昇を23%抑制しています。
その優れた放熱性により、最大定格電力10Wクラスでは最小サイズとなる7.1mm×4.2mmを実現するとともに、過電流負荷時においても、抵抗値が変化することなく安定した性能を保つことができます。


ハイパワーアプリケーションの小型化に貢献する、高電力シャント抵抗器のラインアップを拡充 最大定格10Wの低抵抗「GMR320」を新開発、超低抵抗「PSRシリーズ」も15Wまで定格保証値を拡大


ハイパワーアプリケーションの小型化に貢献する、高電力シャント抵抗器のラインアップを拡充 最大定格10Wの低抵抗「GMR320」を新開発、超低抵抗「PSRシリーズ」も15Wまで定格保証値を拡大

2.低抵抗領域でも優れた抵抗温度係数を達成
一般的に、抵抗値が低くなるほど抵抗温度係数(TCR)は大きくなりますが、新製品は、抵抗体金属に高機能合金材料を採用したことにより、低抵抗領域でも±25ppm/℃以下という優れた抵抗温度係数(TCR)を達成。低抵抗領域においても一般品と比較して、熱による抵抗値変化を1/2程度に低減しており、高精度な電流検出が可能になるため、アプリケーションの信頼性向上に貢献します。

「PSRシリーズ」の特長
PSRシリーズは、超低抵抗領域でも優れた抵抗温度係数(TCR)を達成したシャント抵抗器であり、使用環境の厳しい車載、産業機器分野を中心に好評いただいています。これまでロームのシャント抵抗器は、周囲温度ディレーティングによる定格電力保証をしていましたが、今回新たに端子温度ディレーティングを適用。すでに高電力シャント抵抗器として好評のPSRシリーズも、定格電力保証値を大幅にアップしました。例えば、従来定格電力の保証値を5Wとしていた「PSR500シリーズ」は、最大15Wまで保証値を引き上げているため、さらに幅広いアプリケーションに対応可能となります。


ハイパワーアプリケーションの小型化に貢献する、高電力シャント抵抗器のラインアップを拡充 最大定格10Wの低抵抗「GMR320」を新開発、超低抵抗「PSRシリーズ」も15Wまで定格保証値を拡大

<セットの設計工数削減に大きく貢献するツール>
2021年10月より、新製品を含むシャント抵抗器の熱シミュレーション用モデルをローム公式Webで提供予定です。本モデルを使用することにより、アプリケーション設計時に大きな課題となる熱設計を事前にシミュレーションできるため、設計工数の削減に貢献します。
また、ロームは、ICやディスクリート部品と組み合わせることで、回路の高効率化、小型化などに貢献する電流検出ソリューションを提供しています。例えば、モータを使用する回路においては、制御や回路保護を行うための電流検出回路が必要になりますが、業界トップクラスの低ノイズオペアンプとシャント抵抗器を組み合わせることで、高精度の電流検出が可能になります。

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