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Bosch は CES 2025 で AI 主導のイノベーションを展示します

CES 2025 で、Bosch はモビリティ、家電、健康における AI とソフトウェア主導の進歩を展示し、スマート テクノロジーで日常生活を変革するという同社の取り組みを紹介します。

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Bosch は CES 2025 で AI 主導のイノベーションを展示します

ソフトウェアと人工知能(AI)はすでに私たちの現在を形作り、今後さらにその重要性を増すでしょう。ボッシュは、インテリジェントなソフトウェアやサービスがもたらすビジネスチャンスにいち早く着目し、早い段階から注力してきました。AIは現在、テクノロジー企業のあらゆる製品に搭載され、またその製造にも関わっています。

「インテリジェントなソフトウェアおよびデジタルサービスは、ボッシュのコア事業の基盤です」と、ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバーのタニア・リュッカートは、ネバダ州ラスベガスで開催中のエレクトロニクス見本市「CES 2025」で述べました。AIおよびソフトウェア事業は加速の一途を辿っており、ボッシュでは、2030年代初めまでにソフトウェアとサービス領域の売上高が60億ユーロを超えると予測しています。そして、その売上の約3分の2を占めるのはモビリティ事業セクターとなる見込みです。

この成長において特に重要な役割を果たしているのがAIです。「わずか5年間で1,500件以上の特許を申請したボッシュは、ドイツおよび欧州をけん引しています」と、リュッカートは述べます。ボッシュでは現在、約5,000人のAIスペシャリストがインテリジェントなソリューションに携わっています。従業員全体を対象としたAI分野の研修を一貫して推進するために、カスタマイズされたコースが提供されており、これまでに6万5,000人以上の従業員が研修を受講しました。

これは、新しいテクノロジーに対する期待について毎年調査を行っている最新のグローバル調査Bosch Tech Compassの結果にも合致しています。この調査によると、回答者の5人のうち4人は、今年中にAI関連のさらなる研修の受講を計画しています。さらに3分の2は、AIは学校で独立した科目として教えるべきだと考えています。この結果から、AIスキルは未来の労働環境の基本であるという明確なメッセージが読み取れます。

ボッシュはラスベガスのCES 2025で、ソフトウェアとAIによってすでに人々の生活をより安全に、より効率的かつ便利にしている製品やソリューションを紹介します。つまりボッシュは、ソフトウェアとAIを活用することで、あらゆる人々の日常生活の向上に貢献しています。

モビリティ、家庭、健康 - あらゆるシーンで活躍するボッシュのソフトウェア
1つの例は、道路です。ボッシュは以前から自社を、モビリティ向けソフトウェア企業と位置づけてきました。最近では、乗用車向けに、ガタつきのないスムーズなブレーキングを可能にする新しい機能をプログラミングしています。これは、渋滞に巻き込まれたドライバーや乗り物酔いをしやすい同乗者にメリットをもたらします。「ボッシュほど、自動車業界の要件とニーズを包括的に理解している企業はありません」と、ボッシュ北米法人社長のポール・トーマスはCES 2025で述べました。「モビリティに特化したソフトウェアの専門知識を有するボッシュは、世界の大手ハイテク企業にとって理想的なパートナーです」。

ソフトウェアは最終的に、車両の使い方や体験だけでなく、開発方法をも変えることになるでしょう。ソフトウェア・ディファインド・モビリティ時代において、ボッシュのプログラマーはソフトウェアの観点から自動車開発に取り組んでいます。車載電子機器とクラウド間のすべてのやり取りを容易に管理できる、新しい集中型アーキテクチャ向けのテクノロジーおよびソリューションを開発しています。これは、将来的にインフォテインメントや運転支援といった分野の新しい機能を、簡単かつ便利にワイヤレスに車両にダウンロードするためには不可欠です。

ボッシュではすでにここ数年、AIが運転支援や自動運転の分野で重要な役割を担っています。例えば、マルチファンクションカメラMPC3は2019年から量産を開始し、新たな基準を打ち立てつつあります。このカメラは、物や人を確実に認識し、道路と道路の端を識別できるため、車両を安全に車線内に保つことができます。また、従来の画像処理アルゴリズムとAIを組み合わせることで、記録内容を完全に分析することもできます。

「ボッシュのAIベースのマルチファンクションカメラは、よりリラックスした走行を実現するだけでなく、すべての利用者に道路をより安全なものにします」と、トーマスは語ります。そのためにボッシュは、自動車工学に関する深い知識とAIの専門知識に加えて、社内に蓄積された膨大なセンサーデータを組み合わせて活用しています。「私たちはAIを利用して、運転支援システムの効率化を図っています」と、トーマスは述べました。

またボッシュは、自動運転機能をさらに進化させるための生成AIの活用について模索しています。生成AIによって車両が状況を判断し、それに応じた反応ができるようになることで、道路利用者の安全がさらに高まることが期待されています。将来的には、生成AIが自動運転機能により迅速に学習させることで、検証に必要なテスト走行距離を短縮できるようになります。また、降雪などの条件を追加することで、カメラやレーダーセンサーによって記録された運転の一連の流れを、生成AIが素早く変更できるようになります。つまり、実際に雪が降るのを待つことなく、AIが降雪時の条件に合わせてシステムをトレーニングできるようになります。

航続距離の不安をAIで解消、eBike向けの新しい盗難対策も登場
現実世界とデジタル世界を融合することで、ソフトウェアがeBike体験を向上させることも可能です。ラスベガスでは、ボッシュの新しい盗難防止システム「バッテリーロック」が初めて公開されます。これは、ライダーのスマートフォンをキーとして使用するデジタルロックで、eBikeのバッテリーをさらに確実に守ることができます。また、AIベースの航続距離制御機能により、eBikeのライダーは目的地に到着するまでに必要なバッテリーの充電量を出発前に確認することができるため、航続距離の不安も解消してくれます。さらに、人それぞれに好みがあるキッチン向けのソリューションとして、CES 2025では、ボッシュのインテリジェントなオーブンSeries 8も出展されます。センサー、カメラ、AIが搭載されており、約80種類のレシピを認識して、最適な調理方法と温度を自動的に設定します。多くのレシピで、焼き加減も個別に選択できます。

ボッシュのインテリジェントなベビーベッドで育児をサポート
センサー、カメラ、AIで、育児をサポートすることも可能です。ボッシュの新しいインテリジェントなベビーベッドRevolは、心拍数や呼吸数などのバイタルサインをモニターします。ぬいぐるみや毛布で気道が塞がれたり、赤ちゃんの泣き声を検知すると、ソフトウェアが適切なタイミングで通知します。また、赤ちゃんがなかなか寝付かないときは、ベビーベッドが自動的に優しく揺れる機能を備えています。ベビーベッドによって記録されたデータは、最終的に暗号化してボッシュのサーバーに保存するか、もしくはオフラインのままローカルに残すかをユーザー自身が決めることができます。このインテリジェントなベビーベッドは、CES 2025を主催するCTAより、CESイノベーションアワードに選出されました。

私たちの日常生活に欠かせない存在になったボッシュのスマートセンサー
急速に加速するAIベースのイノベーションが、新しいテクノロジーの使い方を変えたもう一つの例はスマートセンサーです。ボッシュのソフトウェアとAIを搭載したMEMSセンサーは、スマートフォン、eBike、フィットネストラッカー、自動車と、日常生活のあらゆる分野で使用されており、この小さな部品は、実に大きな影響をもたらしています。具体的には、ディスプレイの向きを縦から横に変えたり、歩数を計測したり、エアバッグを制御したりするのに活用されています。最新のMEMSセンサーはマイクロプロセッサが内蔵され、独立したソフトウェアで動作します。

このようなセンサーがなければ、例えばスマートフォンのディスプレイの「ウェイクアップ」、ワイヤレスヘッドフォンでの音声アシスタントの起動など、慣れ親しんだあらゆる日常的な機能は実現しなかったでしょう。スマートセンサーは、加速度、回転、温度などのデータを記録し、ボッシュのソフトウェアを使用して内蔵マイクロプロセッサでそれを直接処理します。これはつまりボッシュが製造する世界最小センサーである、0.8 x 1.2mmの砂粒よりもかろうじて大きい、コンパクトなハウジングにすべての機能が収まっているということです。

もう一つの利点はマイクロプロセッサにセンサーが内蔵されているため、スマートフォンやスマートウォッチのバッテリー消費を大幅に抑えられることです。例えば「ウェイクアップ」機能の場合、センサーシステムに必要なのは個別のマイクロプロセッサのみで、デバイスの中央コンピューターがなくても動作するため、デバイスのバッテリー駆動時間が長くなります。

ボッシュ、センサー市場で数十億台の生産拡大
ボッシュは、フィットネストラッカーなどのデバイス向けに、自己学習型AIソフトウェアを組み込んだセンサーを供給しており、AIはスマートMEMSセンサーを次のレベルに進化させます。AIがさまざまな動作を認識し、フィットネス活動を繰り返すたびにアクティビティを学習します。必要に応じて、ユーザーに対してエクササイズの成果に関する定性的なフィードバックを提供することも可能です。AIはセンサー上で動作するため、クラウドやスマートデバイスへの接続は不要です。すべてのデータは非公開のまま、インターネット接続なしでアクティビティを継続的に記録し、分析することができます。

市場調査会社Yole Group によると、現在、ボッシュは4年連続でMEMS分野のマーケットリーダーとなっています。ボッシュのセンサーは、世界中で発売される新しいスマートフォンの2台に1台以上に搭載されています。成長可能性はまだまだ大きく、Yoleの調査では、自動車と家電製品部門だけでも、MEMSの年間世界需要は現在の330億台から、2029年までには400億台以上に成長すると予測されています。ボッシュはこの市場の成長に伴い、家電製品向けに、マイクロプロセッサと独立したソフトウェアを統合したスマートMEMSセンサーを、2030年末までに100億台生産する計画です。

戦略的に重要な米国市場に数十億ドルを投資
ラスベガスのCES 2025は、ボッシュにとって戦略的成長市場である米国における、世界最大級のエレクトロニクス見本市のひとつです。ボッシュは、グローバルな事業展開を推進するため、米国に的を絞った投資を行っています。最近では、国内で成長を続けるジョンソンコントロールズから、住宅および小規模商業施設向けの暖房、換気、空調ソリューション事業を買収する計画を発表しました。総額約80億ドル(74億ユーロ)で、ボッシュ史上最大の取引です。ボッシュは現在、カリフォルニア州ローズビルにSiC半導体チップ製造のための最新の製造工場を建設中で、これにより重要な販売市場の製造能力を増強します。

この特殊な半導体は、電動モビリティにとって重要な部品です。ボッシュは今後数年間で、ローズビルの拠点に19億ドル(約18億ユーロ)以上を投資し、2026年にはカリフォルニアからのSiC半導体チップの納入を開始する予定です。「暖房と半導体事業への莫大な投資は、ボッシュにとっての米国市場の戦略的重要性を裏付けています」と、トーマスは述べています。

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